「ポスドク・学術研究員・客員研究員って、どう違うんだろう?」
「特任助教とテニュアトラック助教の違いがわからない…」
「どのポジションを目指すべきか迷っている」
と感じている研究者の方も多いのではないでしょうか。
研究職は似たような名前のポジションがあるので、どれがどんな職位なのか混乱しますよね。
この記事では、ポスドクや各研究職の違いについて、図解付きで詳しく解説していきます。
- ポスドクと他の研究員との違い
- 大学教員へのキャリアパスについて
- 各研究職の給与・任期の特徴
記事を読むことで、自分の今後のキャリアパスについてイメージできるようになりますよ。
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ポスドク・研究員・教員(テニュア助教ほか)等の職位全体像

「ポスドクと特任助教って何が違うの?」
「ポスドクと助教は?」
「助教とテニュアトラック助教の違いは?」
など、大学の職位はいろいろあるので、疑問が出ますよね。
ここでは、大学の一般的な職位全部に触れながら、それぞれの違いを紹介していきます。
まずは、全体像を見てみましょう↓

- パーマネント(任期なし・パーマネントを目標にしている研究者が多い)
- 教授:研究室を主宰し、学部や学科の運営に携わる最高位
- 准教授:研究室が持てることもあり、教授に次ぐ職位
- 講師:教育や研究に従事する教員職
- 大学教員(任期あり)
- テニュアトラック助教:若手研究者向けの任期付き助教ポジションのこと
- 助教:教育と研究を担当する若手教員(任期なしと任期ありの両方がある)
- 特任助教:特定のプロジェクトに関わる任期付き教員
- 研究員
- ポスドク(学術研究員):任期付研究員。教員ではなく、次の雇用が保証されていない
- 客員研究員:他の職を持つ人が、別の研究機関で研究するときの肩書
- 学生
- 博士課程学生:博士号取得を目指す大学院生
- 修士課程学生:修士号取得を目指す大学院生
- 学部生:学士号取得を目指す大学生
一番下の「学生」から順に紹介していきます。
学生

まずは、学生について説明します。
- 学部生:4年制大学で学士号の取得を目指す学生
- 修士課程学生:大学院の前期課程で、より専門的な研究や学習を行う学生
- 博士課程学生:研究者としての第一歩を踏み出し、独自の研究テーマに取り組む学生
学生からアカデミア(研究員より上)にステップアップするときには、ざっくり以下のようなルートがあります。
学部生 → 修士課程 → 博士課程 → ポスドク → 助教 → 准教授 → 教授
稀に、博士課程から直接助教へ進む人もいますが、多くの人は「ポスドク」のルートをたどることになります。
研究員

研究員には次のようなものがあります。
- ポスドク(学術研究員):大学や研究機関で一定期間、研究に従事する研究者のこと
(ポスドクと学術研究員は同じ意味で使われています) - 客員研究員:他の職を持つ人が、別の研究機関で研究するときの肩書
ここは、学生でもなければ、教員でもありません。
給料は出ますが、任期があるので、職業的にも不安定な生活が強いられることになります。
(ポスドクの給与は、同年代と比べて比較的薄給である傾向にあります)
ポスドクを経て、成果を出し認められれば、次の助教へ進めます。
大学教員(任期あり・なし)

ここからが大学教員のくくりになります。
- 特任助教:特定のプロジェクトや研究に関わる任期付きの職位
プロジェクトの終了とともに任期も終わることが一般的です。 - 助教:教育と研究の両方に携わる若手教員
任期なしと任期ありの両方が存在します。 - テニュアトラック助教:大学や研究機関で採用される若手研究者向けの任期付き助教ポジション
審査に合格すればテニュア教員(パーマネント)として採用される
2011年から始まったテニュアトラック制度について、補足しておきます。
テニュアトラックとは、「テニュア(終身雇用、要はパーマネント)に繋がるトラック(道)」という意味で、終身雇用を得ることを前提としたキャリアパスの一環として設けられました。
簡単に言うと「若くて優秀な研究者を早めにエリートコースに載せるための職位」といったもの。
テニュアトラック助教は、以下のような特徴があります。
- 若手研究者が対象(博士課程取得後10年以内)
- 研究主催者(PI)として独立して研究できる環境が整っている
- 5年の任期中の評価を経て、審査に合格すれば、任期のないテニュア教員(パーマネント)として採用される
テニュア(パーマネント)への道が明確な分、従来からある「助教」に比べて、「テニュアトラック助教」の方が、採用時のハードルが高くなる傾向にあります。
1-4. パーマネント(任期なし・みんなの目標)〜講師・テニュア職員・准教授・教授〜

助教・テニュアトラック助教を経て、講師やテニュア職員になれたら、多くの研究者が目標としている「パーマネント」の仲間入りです。
- 講師:教育に重点を置く場合が多いですが、研究も行う大学教員
独自の研究プロジェクトを進めることもできるが、大学によっては研究時間の確保が難しいこともある。 - 准教授:教授に次ぐ職位。独立した研究室を持つことも可能
研究業績、教育貢献、学内活動の実績を積むことで、教授への昇進が可能。 - 教授:大学教員の最高位
研究室を主宰し、学部や学科の運営にも関わります。
2. ポスドクと研究員、各職位の推定給料と任期

研究職の給与・待遇の違いについても見ておきましょう。
それぞれ、大学や研究機関・研究分野によって給与は大きく異なるので、一概には言えませんが目安としては以下のようになっています。
職位 | 年収(目安) | 任期 |
---|---|---|
ポスドク | 300〜600万円 | 任期あり(1〜5年) |
客員研究員 | 0〜500万円 | 非常勤・短期契約 |
特任助教 | 350万〜700万円 | 任期あり(1〜5年) |
助教 | 400万〜700万円 | 任期なしor任期あり |
テニュアトラック助教 | 450万〜800万円 | 任期あり(5〜7年) |
ポスドク
- 月額給与は30万円~40万円程度が一般的
- 社会保障や福利厚生は限定的な場合も
- 任期は1〜5年ほどの場合がほとんど
客員研究員
- 給与は無給〜年収500万円が一般的
- 別の職(研究機関)をしながらの研究員なので非常勤または短期契約
特任助教
- 給与は年収350万〜700万円ほどになることが多い。
- プロジェクト予算に応じた給与設定になっている
(研究資金が豊富な場合は、給与も高くなりやすい) - 一般的にポスドクより待遇が良い
助教
- 年収は400〜700万円ほど
- 任期ありの場合と、任期なしの場合がある
- 講義や学生指導などの業務も増える
テニュアトラック助教
- 年収は450万〜800万円ほどのことが多い
- 比較的研究に集中できる環境にある
- 充実した研究環境と支援体制
ポスドクの給料について詳しく知りたい方はこちらもチェック↓

ポスドクの任期について詳しく知りたい方は、こちら↓

まとめ:ポスドク・客員研究員・特任助教・テニュアトラック助教は給与も待遇違う

アカデミアの職位と研究職のキャリアパスについて紹介してきました。
まとめると、
- 研究職の全体像
- パーマネント(任期なし):教授、准教授、講師
- 大学教員(任期あり):テニュアトラック助教、助教、特任助教
- 研究員:ポスドク(学術研究員)、客員研究員
- 学生:博士課程、修士課程、学部生
- 学生からアカデミアへのステップアップ
- 一般的なキャリアパス:学部生→修士課程→博士課程→ポスドク→助教→准教授→教授
- 博士課程から直接助教へ進むケースもあるが少数
- 研究員の位置づけと特徴
- ポスドク(学術研究員):任期付きで研究に従事、不安定な雇用状況
- 客員研究員:他の職を持ちながら別の研究機関で研究する際の肩書き
- 大学教員の種類と特徴
- 特任助教:特定プロジェクトに関わる任期付き教員
- 助教:教育と研究を担当(任期なし・ありの両方存在)
- テニュアトラック助教:若手優秀研究者のためのキャリアパス、評価後にパーマネント化
- 各職位の給与と任期の目安
- ポスドク:300〜600万円/年(任期1〜5年)
- 客員研究員:0〜500万円/年(非常勤・短期契約)
- 特任助教:350〜700万円/年(任期1〜5年)
- 助教:400〜700万円/年(任期なしor任期あり)
- テニュアトラック助教:450〜800万円/年(任期5〜7年、その後審査)
研究者のキャリアを考える際には、各職位の特徴や給与・待遇を理解し、自分の研究スタイルや将来設計に合った進路を検討することが重要です。
パーマネントを目指す場合は、ポスドクから助教、テニュアトラック助教などのルートを経ることが一般的ですが、各大学・研究機関によって制度は異なるため、詳細を確認しましょう。