「ポスドクの給料って、実際どのくらいもらえるんだろう?」
「ボーナスや手当はあるのかな?」
「収入を増やす方法はないのかな…」
と気になっている方も多いのではないでしょうか。
ポスドクがどのくらいの給料・年収なのか気になりますよね。
この記事では、2024年に公開された最新のデータを基に、ポスドクの給与実態やボーナス制度、さらには収入アップの方法まで詳しく解説していきます。
- ポスドクの給与分布
- 分野ごとの給与分布・平均年収
- 給与支給元と財源の種類
- ポスドクのボーナス支給の有無
- ポスドクの福利厚生
記事を読むことで、ポスドクの収入について具体的なイメージが持て、将来のキャリア計画に役立てられるようになりますよ。
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ポスドクの基本給与はいくら?最新データを分析

では、データを下に、ポスドクの給料について見ていきましょう。
次の順に見ていきます。
- 年齢別
- 分野別
- 給与支給元
年齢別給料
2024年に公開された最新データ(2021年度実績)によると、ポスドクの月額給与は以下のようになっています。

出展:ポストドクター等の雇用・進路に関する調査(2021年度実績)を元に筆者が作成
- 15万円未満:1,669人(12.2%)
- 15〜20万:416人(3.0%)
- 20〜25万:821人(6.0%)
- 25〜30万:1,110人(8.1%)
- 30〜35万:2,241人(16.4%)
- 35〜40万:2,293人(16.8%)
- 40〜45万:1,197人(8.8%)
- 45〜50万:615人(4.5%)
- 50〜55万:386人(2.8%)
- 55〜60万:165人(1.2%)
- 60〜65万:126人(0.9%)
- 65〜70万:52人(0.4%)
- 70〜75万:44人(0.3%)
- 75〜80万:23人(0.2%)
- 80万円以上:40人(0.3%)
- 最繁忙月のみ給与:2,314人(16.9%)
- 無回答:145人(1.1%)
このデータから見ると、ポスドクの給与は30万円台が最も多いことがわかります(30〜40万円:33.2%)。
一方で、「15万円未満(12.2%)」「再繁忙月のみ(16.9%)」といった、低い給与の層も多く存在しています。
このように、ポスドクの給与は一律ではなく、様々な要因によって決まると言えそうですね。
次に、分野ごとの給与について見ていきましょう。
分野別の給与水準の違い
ポスドクの分野別の平均月収には、以下のようになっています。

出展:ポストドクター等の雇用・進路に関する調査(2021年度実績)を元に筆者が作成
こうしてグラフを見てみると、理学・工学系は給料が高い傾向にあり(30万円以上の割合が60%以上)、
人文・社会系は給料が低い傾向にある(30万円以上の割合が40%未満)ことがわかります。
別の資料では、各分野の平均給与額を算出しており、以下のようになっています。
分野 | 平均給与額 |
---|---|
人社(121名) | 213,000円 |
理学(397名) | 329,000円 |
工学(223名) | 330,000円 |
農学(126名) | 287,000円 |
保健(153名) | 307,000円 |
その他(15名) | 260,000円 |
参照:ポストドクター等の研究活動及び生活実態に関する分析より
なんと、工学系と人文社会系の間に約11.7万円もの月収差があります。
年収にすると140万円以上の差…!
工学系は企業との共同研究が多く、外部資金を獲得しやすい環境にあるのに対して、
人文社会系は比較的外部資金が少なく、基盤的経費に依存する傾向にあることが、給与の差になっていると考えられます。
給与支給元と財源の種類
ポスドクの給与はどこから支払われているのでしょうか。2024年に公開された最新データ(2021年度実績)によると、給与財源は以下のように分かれています。

- 文部科学省関連の競争的研究費:2,920人(21.4%)
- その他府省関連の競争的研究費:768人(5.6%)
- 競争的研究費以外の外部資金:2,559人(18.7%)
- 基盤的経費及び自主財源等:4,580人(33.5%)
- フェローシップ:1,583人(11.6%)
- その他、不明:1,375人(10%)
最も多いのは大学や研究機関の運営費交付金などからなる基盤的経費であることがわかります。
次いで競争的研究費が多く、両者で研究者の半数以上をカバーしています。
給与の支給元も様々で、勤務先からの直接支給のほか、日本学術振興会やNEDOなどからの支給、共同研究を行う企業からの支給など多様なパターンが存在します。
財源によって給与水準や雇用の安定性が異なるため、ポスドク採用情報を見る際には、財源についても確認するとよいでしょう。
ポスドクのボーナス・手当はどうなっている?

ボーナス支給の有無と支給額(機関別)
ポスドクにとって気になるのがボーナスの有無ですよね。
しかし、…残念ながら、多くのポスドクにはボーナスが支給されていません。
日本学術会議の調査によると、特に任期付き研究員の多くはボーナスなしの雇用契約となっています。
ただし、近年では一部の国立大学や研究機関、特に基盤的経費で雇用されるケースでは、ボーナスが支給されることもあります。
ボーナスの有無は雇用契約書で確認できるのでチェックしておきましょう。
また、採用面接時に質問しておくことも大切ですね。
各種手当の実態
続いて、ポスドクの各種手当の支給状況も確認しておきましょう。

参照:『生命系における博士研究員(ポスドク)並びに任期制助教及び任期制助手の現状と課題』を元に筆者が作成
このグラフから、
- 住宅手当:61.7%の人が支給されていない
- 通勤手当:32.7%の人が支給されていない
- 退職金:76.8%の人が支給されない
- 育児休暇:27.6%の人が利用できない(「わからない」を含めると約6割)
ということがわかります。
ポスドクの待遇は、一般的な正規雇用と比べて厳しい…ですね。
特に育児休暇が取りにくい環境は、ワークライフバランスを考える上で大きな課題といえるでしょう。
ただし、手当の有無は研究機関によって大きく異なります。
応募前に必ず確認しておきましょう。(特に家族がいる、増える予定の方は、住宅手当や育児関連の制度について詳しく調べておきましょう)
ポスドクの収入をアップする方法

ポスドクが収入をアップさせる方法として、兼業や副業が考えられます。
ただし、所属機関によって規定が異なるため、必ず事前に確認が必要です。
ポスドクの副業としては、以下のようなものがあります。
- 非常勤講師としての教育活動
- 研究関連の執筆活動(書籍、記事など)
- オンラインでの専門知識を活かした副業
ポスドクにおすすめの副業については、こちらの記事で詳しくまとめています↓
準備中
まとめ:ポスドクの給料・平均年収・ボーナス・福利厚生は、恵まれている方ではない

ポスドクの給与と収入アップについて紹介してきました。
まとめると、
- ポスドクの給料
- 月額給与は30〜40万円台が最も多い(33.2%)
- 15万円未満(12.2%)や最繁忙月のみ給与(16.9%)など低収入層も存在
- 分野による給与格差が大きい(工学系と人文社会系で月収約11.7万円の差)
- 給与の支給元と財源
- 基盤的経費及び自主財源等が最多(33.5%)
- 文部科学省関連の競争的研究費(21.4%)
- 競争的研究費以外の外部資金(18.7%)
- 財源によって給与水準や雇用の安定性が異なる
- ボーナスと手当の実態
- 多くのポスドクにはボーナスが支給されていない
- 住宅手当(61.7%)、退職金(76.8%)が支給されないケースが多い
- 通勤手当も32.7%の人が支給されていない
- 育児休暇が利用できない、または利用可能か不明な人が約6割
研究者としてのキャリアを考える上で、ポスドクの収入面は重要なポイントです。
分野選択や所属機関の選定、副業の可能性など、複数の観点から自身の収入状況を確認・検討しましょう。
特に手当やボーナスの有無、兼業規定についてもチェックしておくのがおすすめです。
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